要望GO

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元SEがポケモンGO運営に思うこと

レイドが家から出来るように!? 大歓迎の裏にある3つの不安【ポケモンGO】

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ナイアンティックから「自宅でもっとプレイできるようにするよ」という内容の声明がありました。

自宅からもリアルワールドゲームを楽しめる環境を整える為に – Niantic

コロナ対策が基本軸ですが、収束後もこの概念は継続すると考えられます。

Nianticは、常に我々が創造するプロダクトの「野外で楽しむ」「探索する」そして「運動をする」というDNAを、屋内でのプレイにも導入することができると考えてきました。我々は、今こそが、まさにその思いを具現化する時なのだと考えています。

これは素晴らしいことだと思いますがいかがでしょう?。私はもちろん応援するスタンスです。

ただ改めてこういう動きを目の当たりにするとなぜか「不安」になりました。

やり方を間違えるとポケモンGOが終わると思ったからです。

その理由は以下の3つ。

  1. ライバルが増える(差別化しにくくなる)
  2. スポンサーが撤退する
  3. ポケモンGOでなくなる

詳しくお話します。それではどうぞ。

製品ロードマップの内容(自宅でGO)

今回の発表で具体的な機能の内容があったのは4つ。

  1. いつでも冒険モードは家での動き「掃除」「ルームランナー」による歩数をカウントする(実装済み)
  2. ソーシャル機能強化、自宅で他のプレイヤーとレイドバトル
  3. バーチャルにスポットを訪れ、友達や家族と思い出を共有
  4. 今年の夏のGOフェスタは自宅バージョン

特にインパクトがあるのは自宅でレイドできてしまうという仕組み。しかも他のプレイヤーと共闘も出来るようです。

この仕組みについてもう少し深堀りしてみます。

レイドが家から出来ることを安易に喜んでよいか

この遠隔のレイドシステムがどういう条件で参加可能なのかはわかりませんが、一箇所に集まって戦うイメージとは全く違います。

ジムに行ってバトルパス的なものをもらってくるのか、はたまたコロナ中なら見えている範囲でいくらでも参加可能にするのか。

これ、例えば見えるジムをタップすれば参加できるとします。

そしてそれをフレンドにも伝えることが出来るとしましょう。

そうするとどうなるかというと、まず

「めっちゃ楽しい」

これは間違いないはずです。

その代わりに失うものもあります。現地での出会いですよね。

「人数足りないので一緒にやりませんか?」「フレンドになってくれませんか?」

「お久しぶりー!色違いとれた?」みたいな。

良くも悪くもこれがポケモンGOなんですよね。

(ドラクエウオークは近隣に迷惑がかからないレイドシステムですが、現地でフレンドが増えることは経験していません。知らない人と話すこともないですし必要もありません。悪い意味で。)

今後は現地でも、遠隔でも出来るようになるとすれば、大半は遠隔で参加するはずです。レイドの景色が変わりますね。

スポンサーにはメリットなし。課金ゲーへの第一歩?

ポケモンGOはビジネスです。

スポンサー店舗に人を誘導する商売です。地域格差はプレイヤーにとっては大問題ですが、ナイアンティックにとってはそこにスポンサー店舗が無いなら問題ありません。

しかしレイドシステムの変更でスポンサー店舗に近づかなくても良いとなれば、スポンサーにとってはお金を払っている意味が薄れます。

もちろんレイドだけでなく、スポンサー用のフィールドリサーチや特別なアイテムをドロップさせる(魔法同盟で実装済み)などの手はありますが、やはり店舗の目の前まで来てもらうことが一番の目的でしょう。

逆にレイドで人だかりが発生し、その原因となっているスポンサーが矢面に立つこともありました。密集迷惑を応援しているように見えるわけですからね。

しかしそれを遠隔参加という方法で解決してしまうと、スポンサー料を支払う意味がありません。

スポンサーが撤退すれば、課金ゲーム色は強くなるのは避けられないのではないでしょうか。

ライバルを自ら増やすのは悪手

ポケモンGOのライバルって、どのゲームをイメージしますでしょうか?

ドラクエウオーク、Ingress、ハリーポッター魔法同盟、妖怪ウォッチワールド・・。

同業他社という意味では実質ドラクエウオークだけの状況ではないですかね。

それがですよ、

  • 家でポケモンを捕まえられる
  • 家でレイドバトルできる
  • 家で対戦できる
  • 家でフレンドと特定の場所で出会える

こうなったとしましょう。

「他のゲームでよくない?」

ってなりません?

GOバトルリーグで一部のバト勢は「剣盾でよくない?」って言ってます。(任天堂スイッチのゲーム、ポケットモンスターソード・シールドのことです。)

バグの多い、不完全なポケモンGOバトルより本気で戦えるわけですからそんな意見があってもいいでしょう。スマホゲーの「ポケモンマスターズ」も人気ですね。育てたポケモンの3対3のバトル。そりゃ楽しいです。ポケモンの原点ですね。

フレンドとゲーム内でわいわいできるのも楽しそうですが、今ちょうど「あつまれどうぶつの森」が人気です。

もし位置情報要素を減らしてしまうと、こうやってライバルを増やしてしまうことに繋がるのではないでしょうか?

そうでなくても昔に比べてポケモンGOだけをやっているユーザーは減っているように感じます。

アクティブユーザー数が減っていなくても、プレイ時間は減っている可能性は捨てきれません。

「家からお手軽レイド」をユーザーに経験させてはならない

コロナ対策とは言え、家からタップするだけでレイドが可能になるなんて仕様は絶対にしてはいけません。

コロナが収束したときに遠隔レイドに慣れてしまったプレイヤーは必ず不便さを感じるはずです。そして全員が思うでしょう。「システム的にやれるんならやれよ」と。

私はレイドの中止が最適解だと思います。

遠隔レイドシステムの内容がどうあれ、外でも遊べてしまうのですから情勢とはマッチしていません。

コロナ収束後にレイドの参加可能条件を緩和すべきです。

そして一度でも、家でがっつり楽しめるゲームを体感させてはいけません。絶対に元へは戻れませんから。

さらに家でボスと戦うゲームになってしまえば、ライバルゲームを増やすことになり、ポケモンGOの寿命は一気に縮まります。

遠隔レイドシステムの落とし所

新しいレイドシステムの落とし所は、ジムでレイドパスを拾う形式でどうでしょうか。

Ingressで言うところのポータルキー。ジムでドロップしたものを持っておき、それを使っていつでもどこでも参加。

  • ジムAのパス1枚でジムAでのレイド参加1回
  • バトル参加には無料パスか有料パス1枚必要
  • フレンドにジムパスを使って招待可能
  • ジムパスは何枚でも所持可能
  • ジムパスはアイテム数にカウント
  • レイドボスは5種類自由選択

地方の不成立問題を考えると、フレンドとの共闘を充実させたいですね。やはり招待が良さそうです。

「仕方なく複垢」勢がいなくなる

遠隔でのフレンド共闘が実装されれば、不成立問題が一気に解決し、レイド不成立による複数アカウントの所持をしてしまっている人たちが救われます。

規約違反とわかっていても、心を痛めてながらプレイしている人たちは多く、この話題を避けたがります。正しい方法で解決して欲しいです。

終わりの始まりにならないために

ポケモンGOの位置偽装プレイヤーは元々多いですし、「見える範囲なら家からレイドしたい」というプレイヤーは大多数でしょう。

なので遠隔レイドシステムはユーザーの声を反映し、社会との調和を考えた仕組みとなるはずです。

ただ何度も言うように、普通のゲームにならないように注意が必要です。

バーチャルで現実より美しい空間をプレイできるゲームは世の中にたくさんあります。

ポケモンGOでなければならない理由はなんだったでしょうか?

遠隔コンテンツ第一弾となるGOバトルリーグの実装では一定数のユーザーから不平不満が出ました。

  • 集まってわいわいやるゲームがポケモンGO
  • 負ける経験をしなくて良いのがポケモンGO
  • 難解なタイプ相性を知らなくても楽しめるのがポケモンGO

気持ちはよくわかります。でもこれ、お友達と対面のPvPならここまで不満は感じないはずなんです。

ユーザー層とマッチしないバトルコンテンツだったということもありますが、やはりオンラインでの難しさというのも大きいはずです。

フレンドとリアルに会う、という要素は軸にするのがポケモンGOではないでしょうか?

最後に提案:GOバトルリーグに団体戦を

遠隔コンテンツのGOバトルリーグについては割と前向きに考えてはいますが、残念ながらポケモンGOの衰退の兆しを感じてしまいました。

基本的にポケモンGOは「ハズレ」を繰り返すゲームです。

  • 色違いじゃなかった
  • 高個体値じゃなかった
  • 欲しいフィールドリサーチじゃなかった
  • やりたいレイドじゃなかった

普段のプレイでハズレを繰り返していて、たまに訪れる奇跡を楽しむゲーム。

基本的にはストレスの多い仕組みになっています。

それが対戦コンテンツで、家で、ひとりで、勝てない。

これでは病みます。

さらに悪いことに勝利報酬がこれまたハズレガチャ。

バトル勢まで病んでるじゃないですか・・

 

これを解決するために団体戦なんてどうでしょうか?

プレイヤー3人が1チームの団体戦。6人のプレイヤーで戦うということです。

ポケモンの数はひとり1匹でも3匹でもいいのですが、これなら私はやってみたい。

フレンド3人で集まって、あれこれ言いながら作戦会議。

だれがどのポケモンを育てるのか。

どうして勝てたのか、負けたのか。

報酬は誰にどんなのがきたのか。

みんなで喜び、みんなで泣く。

 

難しいタイプ相性もチームの若者に教えてもらえばいいでしょう。

想像しただけでわくわくしますけどね。

 

遠隔コンテンツは社会問題の意味と地域格差の意味の両方で賛成です。

そこにリアルでフレンドと楽しむという要素は外さず、上手にアップデートして欲しいと思っています。

 

長くなりました。それでは。

 

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